自動運転車のコンジューマーレポート(米)による評価
2018.10.13
秋も深まり、紅葉シーズンになると、外国から友人が日本を訪れる。最近アメリカから帰ってきたA氏は、大学時代の同級生でアメリカの自動車メーカーに勤め、今はミシガンの森に悠々とリタイアしている。
彼とお茶を飲みながら、最近の自動運転車の事故についてしゃべっていた。「自動運転モードにしていたら、ドライバーはどうしても注意散漫になるよな。それで急に何かが起こってもドライバーの対応は遅れるよね」。
・そうしたら、アメリカのコンジューマーレポートが、まさにこの点に的を絞って、自動運転車のテストを行い、その結果を発表していた。
・そこでは、「半自動運転車が安全走行を保障できないとき、またドライバーが注意力が散漫になったとき、システムがうまく対応できるかどうか」がテストされている。
・対象は、キャディラックのスーパー・クルーズ、テスラのオートパイロット、日産のプロパイロット、ボルボのパイロット・アシスト・システムの4つである。
・運転性能に関して1位になったのはGMのスーパー・クルーズ、2位がテスラのオートパイロットで、日産とボルボはやや引き離されているようだ。
・面白いのは、ドライバーが注意散漫になるケースで、スーパー・クルーズは4秒でこれを検知し、警告を出す。オートパイロットは24秒かかるという。この差は、スーパー・クルーズがドライバーの視線を自動的に追うシステムを搭載して、それに基づいて警告を出しているからだ。テスラもドライバーを観察するカメラを設置しているようだが、現時点では、それを使用していないようだ。
・たしかに自動運転車は、ここでも指摘したような問題を抱え、まだ開発途上にある。しかしコンジューマーレポートの自動車テスト主任ジェーク・フィッシャー氏は、「(自動運転車は)まだ問題はあるものの、これがクルマの主流となるティッピング・ポイント(臨界点)を超えつつある」と指摘している。
・クルマに関して、その時々の課題を鋭く分析するコンジューマーレポーのセンスの良さには敬服する。個人的には、友あり遠方より来たる、また楽しからざるや、ということだ。
(参考)
・Consumer Report "Cadillac topsTesla in Consumer Reports' first ranking ot Automated Driving Systems",2018.10.04
・Gigazine,"テスラ・日産・ボルボ・GMの半自動運転システムの性能をコンシューマーレポートが評価、求められる安全性とは”、2018.10.05"