コロナウィルス:冬を迎えて
2020.10.25
・風邪は冬が来ると流行する。これはコロナを含めた呼吸器関連のウィルスには共通の特性らしい。このことから、秋の深まるころ、皆はインフルエンザ・ワクチンを打つようになる。
・今回のコロナウィルスはどうなるだろうか。ワクチンはまだできていないから、こうした予防策はとれない。ネーチャー誌によると、まだデータがそろわないため、確実なことは言えないが、コロナが冬季に流行が強まる可能性はあるという。その理由は、ウィルスは寒冷で、乾燥した、太陽光の届かない環境を好むからだ。
・いずれにしても現時点では、個人は、ソーシアル・ディスタンスを確保する。マスクの着用などの対策を行うしかない。問題はそれだけで冬の感染爆発が防げるかどうかだ。
・ワシントン大学のIHME(Institute of Health Metrics and Evaluation)は国ごとの感染予測を発表している。これによると(2020年10月22日発表)、日本の感染は冬に向かって急増する。
・本日(2020年10月24日)時点の日本の1日あたり感染者は750人弱だ。IHMEによると、、これが来年初めには8千人程度(対策の有無で若干異なる)になるらしい。つまり10倍程度に増えることになる。これは医療崩壊を招かないだろうか。
・今の日本は、コロナ対策より、経済回復を優先させている。これは気持ちとしては理解できるが、その結果、感染が急拡大したら、むしろロックダウンのような厳しい対策が必要となるかもしれない。その経済的ロスは莫大なものになる。要は、政策担当者が、様々なケースに関する経済シミュレーションを行い、その結果を中期的な対策に反映させる必要がある。
・冬に向かっての感染拡大は日本だけの問題ではない、大統領選で騒がしいアメリカでは、すでに感染者の急増が、特に中西部を中心として起こっている。これは選挙の結果にも影響するかもしれない。
・日本の場合にも、コロナ騒動が落ち着く様子がないので、これに対する中期的対策(2020年~2023年)を、早急に練り始める必要がある。これはオリンピックをやるやらないという議論以前の問題だ。筆者は47都道府県別にコロナショックの経済インパクトを試算した。これはe予測ソフトで再現できる(ウィンドウズ10のPCで稼働)。11月には公表予定なので、興味ある方は使ってみてほしい。ちなみにお試し版は数千円(予定)で入手可能である。
(参考)
・Smriti Mallapaty,"Why COVID outbreaks look set to worsen this winter",Nature,Oct.23,2020
・IHME,COVID-19 Projections,Oct.22,2020
https://covid19.healthdata.org/global?view=total-deaths&tab=trend
・Peter Wells,Lauren Feder,"US ercords worst Covid-19 week since summer peak",FT,Oct.23,2020