デルタ株の危険性
2012.06.27
・最近のNHKニュース(2021.06.25)によると、兵庫県でデルタ株の感染が見つかったようだ。デルタ株の日本感染が現実のものとなりつつある。
・サイエンス誌にデルタ株のわかりやすい解説が載っていたので紹介する。
*2020年12月にインドのマハシュトラ州(インド中西部、州都はムンバイ)で、デルタ株が最初に見つかったとき、当初はそれほど大変なものだとは認識されなかった。
*しかし数か月後、それがニューデリーに広まると、感染は急拡大した。4月末には、日々3万件以上の感染が生じた。デルタ株はアルファ株に急激にとってかわった。
*当初、ニューデリーでは多くの住人がすでにコロナに感染済みか、ワクチンを打っていたため、デルタ株にそれほどのインパクトがあるとは思われなかった。しかしその感染力と免疫バリアを潜り抜ける力が強かったため、こうした事態が生じた。
*デルタ株は、ニューデリーから全世界に拡散した。英国ではアルファ株が制圧されたと考え、規制を緩めようとしたが、デルタ株のため延期された。EUの専門家によると、本年8月末までに、EUのコロナ感染の9割がデルタ株になるという。
*デルタ株は、ロシア、インドネシアでも拡散し始めている。特に途上国への影響が懸念される。
*朗報は、ワクチンを2回打てば、コロナが重篤化することはなさそうなことだ。
*しかしコロナの別の変種が現れる可能性はゼロではない。
・ともかく、デルタ株の対策としては、ワクチン接種をなるべく早く全国民に広げることが肝心なようだ。こうなるとますますオリンピック開催による感染拡大が懸念される。
・筑波大学の倉橋節也先生がデルタ株の感染シミュレーションを行っている。興味がある方は、ご覧になることをお勧めする。
(参考)
・Kai Kupferschmidt,Meredith Wadman,"Delta variant triggers dangerous new phase in the pandemic",Science,18,June,2021
・倉橋節也、「オリンピック22万人来場およびデルタ株の感染推定」,2021.06.23