NVDIAの新チップに関して
2024.04.08
・中島聡氏のブログLife is Beautifulはいつも面白く読ませてもらっている。最近号ではNVDIAのGTC March 2024におけるジェンスン・フアン(Jensen Huang)CEOの基調講演が取り上げられていた。NVDIAの新製品発表は以下の通り。
*Blackwellと呼ばれるアーキテクチュアで作られた最新のGPU、B100.
*B100二つとCPU一つを搭載したAIサーバーGB200.
*1.8TB/sでGPU間通信をサポートする最新のNVLinkチップ/NVSwithc.
・中島氏の記事で気になったのは、以下の3点。
①新製品は、一世代前のH100の性能を数倍に引き上げたものである、
②電力消費をGH 100システムよりGB200システムでは、約4分の1に引き下げたこと、
③NVDIAのスパコンGDX GB200 NVL72(18個のGB200と9個のNVSwitchからなる)は、FP8(8ビットの浮動小数点計算)で720PetaFlopsの性能を持つが、日本のスパコン富岳はFP64で400PetaFlopの性能(1,300億円のコスト)。つまり富岳とほぼ同様なスパコンが数億円(B100値段からの概算)で入手できることになる。
・とくにこの第3点は、日本にとって問題だ。つまり国関与の大型プロジェクトの問題点を抉り出しているからだ。ここで指摘された同じことが宇宙開発にも言える。日本のロケットH2はなかなか成功しないが、テスラのスペースXはコスト約半分で、年間100基ほど打ち上げに成功している。つまり日本型の技術開発は、AI時代にそぐわないものになっている可能性が高い。
・日本は、スパコンにせよ、ロケットにせよ国の予算を多額に消費しながら、アメリカの民間企業が開発する製品の足元にも及ばない製品しか作ることができない。これが日本の現在の低迷の大きな原因となっていると思うが、どうだろうか。
(参考)
・Benj Edwards,"NVDIA unveils Blackwell B200,the "world's most powerful chip" designed for AI",Arstechnica,2/20/2024
・中島聡、,2024.03.26