石丸伸二氏と都知事選に関して
2024.07.20
・先ほど行われた都知事選で、安芸高田市長の石丸伸二氏が、蓮舫候補を抜いて二位に滑り込んだ(7月7日)。少し時間が経ったが、この点について触れておきたい。
・石丸氏が市長時代に発したYouTubeの画像は、印象深かった。その中で目を引いたのは、議会における石丸氏の演説中に議員がいびきをかいて寝ている状況だった(オリジナル動画ではいびきが聞こえている)。それにたいして石丸市長が、「一般質問もしない、議場で眠っている。これで民主主義といえるのか」といった発言をした(今探してみたが、オリジナルな動画は見つからなかったので、記憶に頼っている)。
・石丸氏の問題提起は重要だ。若い新人市長に対して、議会の古株たちが、「なめている」状況が手に取るようにわかる。市長がそれに従っていれば、波風は立たないが、何も変わらない。この状況に石丸氏はノーと言った。これは単に一地方議会の問題ではない。
・政権政党が、一時期を除いて政権にある期間は長い。その間、地方名家の若手が政権党から立候補し、議員となって当選回数を増やしていく。政権党における地位は、基本的に当選回数によるから、こうした人たちが年功序列で幹部にのし上がっていく。それに役人たちがむすびついて、今の日本の権力構造が出来上がっていく。
・こうした政権党のニューリーダーたちは、基本的に何も変える気はない。国際会議は、外国の有名人と握手をする場と考えている。そうした場で、インナーサークルに入ることなどまるでできない。
・こうした権力構造に一つの衝撃を与えたのが石丸旋風だ。話は飛ぶが、ベテランの石細工師は、どんな硬い石でも、それが割れる筋を見つけて、そこにノミを切り込むという、すると石が簡単に割れる。石丸氏は、これを目指しているようだ。
・彼が次に立候補するのは、現首相の選挙区であるという。もしそれが実現すれば、政権党の運営に一つのインパクトを与えるかもしれない。
・これはちょうど、第二次大戦の終了後、エコノミストの下村治が、「さまざまな桎梏が取り払われたから、これから高度成長が始まる」といったことと、似ている。今必要なのは、既存システムにひびを入れることだ。
・筆者は一介のプログラマーだが、日ごろコードを書いていると、この分野における日本の存在感のなさに愕然とする。コードを書く際に参考になるのは、海外の情報サイトだけだ。これはたとえば、シンガポールの銀座ともいうべきオーチャード通りで、日本人が消えたのと、同じことだ。
・石丸氏の登場は、斜陽日本に、もしかしたら、一つのインパクトを与えるかもしれない。