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緊迫化する台湾情勢

緊迫化する台湾情勢

  2024.10.19

・中国人民解放軍は、10月14日台湾包囲作戦の一環として大規模軍事演習を行った。この演習で特に気になるのは、その目的の一つが台湾のエネルギー輸入を封鎖する能力のある事の誇示だ(環球時報、10月14日)。これは日本にとっても他人ごとではない。周知のように日本のエネルギー輸入の大半はこの近傍を通って日本にもたらされているからだ。万一この海域で戦争状態が起これば、日本へのエネルギー輸入は大幅に制限されることになるだろう。

 

・それはともかく、中国が台湾制圧に乗り出す可能性は、IFではなくWHENの問題になり始めているようだ。最近英国陸軍参謀総長に就任したローランド・ウォーカー卿はこの点を以下のように述べている(2024年7月、参考文献[1])。

 

 *「われわれは戦争に備えるのに3年しかない」(We have three years to prepare for war)。

 

 *「英国は2027年か2028年に起こる第3次世界大戦に備えなければならない。その時には中国が台湾に侵攻し、英米両国がこのシナリオに関与することになる。」

 

   *アングロサクソンに対する連合はロシア、北朝鮮、イランから構成される。

 

・さて日本はこの問題にどのように対処しようとしているのだろうか。英国陸軍の現役幹部がここまではっきり将来起こる事態を明言していることは異例ともいえる。日本人である我々にとって猶予は「3年」しかない。今からこの事態に直面した時の対処法をきちんと練っておく必要があるだろう。

 

(参考)

[1]Geofor,”We have three years to prepare for war",Mdium,Aug.2,2024

[2]Yahooニュース、「中国、台湾包囲軍事演習 シグナルの一つは『アジア版Nato』への警告か」

  2024.10.18