イーロン・マスクによるDOGE（政府効率化局）騒動の意味
・トランプを応援したイーロン・マスクがアメリカ政府の効率化に乗り出している。新聞等の論調は公務金の雇用権侵害など、この動きにやや否定的だが、面白いことになるかもしれない。
・マスクは、ロケットの打ち上げ企業スペースXやEVのテスラなどに優秀なITエンジニアを多数抱えている。彼はこうした連中を政府の財政データベースに入り込ませて、その内容を読み取り、問題点を探ろうとしている。これは一面では雇用者のプライバシー侵害になるかもしれないが、他方でほとんど働かない公務員や、惰性的に続いている財政支出をあぶりだすことに役立つだろう。
・通常、役人はこうした動きに抵抗するが、アメリカの場合、大統領権限は大きく、マスクがかなりの仕事をやってのける可能性がある。すでにマスク傘下の6人の若者（ｘAI、テスラ、ボーリング・カンパニーなどに勤務、19-24歳）が、政府の人事管理局（OPM）、一般調達局（GSA）、財務省の決済システムなどに入り込んでいるようだ。ただし連邦判事は財務省に対し、決済システムのデータを外部に渡すことを禁じた（2025年2月6日）。
・今後の展開が注目されるが、すでにマスクには冗費削減の実績がある。それはツイッター（X）の買収時、従業員の８割を削減して、黒字化を図ったことがあるからだ。
・日本の財務省や経産省もこのやり方で、支出の効率化を図ったらどうだろうか。これが日本にとって、真の財政削減につながるだろう。
（参考）
[1]NN,”Elon Musk said Donald Trump agreed USAID to be 'shut down'",Feb.05,2025
[2]Vittora Elliott,”The Young,Inexperienced Engineers Aiding Elon Musk’s Government
Takeover”、Wired,Feb.2,2025
[3]Akrlti Sharma,"Musk says Twitter is roughly breaking even,has 1,500 employees",Reuters,Apr.12,2023
[4] Joe Miller,"Elon Musk barred from accessing US Treasury payments data",FT,Feb.7,2025